臨みは哀しくて綺麗な世界を描く事。05年度H/Sをどうぞお楽しみ下さい。


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『VINTAGE 3』

 あまりにも遠い昔の事で、出逢いはよく覚えていないわ。
ただ、VINと私の愛は、誰にも秘密の愛だった。
私は一般に幼かったけれど、恋ではなく、是は愛の他ならなかった。
そしてどうして秘密だったのかも、今では思い出せない。
VINは私の遠い親戚にあたる位置。だからかしら、秘密だったのは。
あまりにも遠い昔の事で、よく覚えてないの。
ひとまわり年は上だった。
でも此処では、数年の年の差なんて意味を持たない。
そう、今、此処でなら。
あまりにも遠い昔の事で、今となると随分と違うのね。

 私達一族に刑が下される直前。
離れ離れにされる直前、VINと私の唇は重なり、長い時間濃厚なキスをしていた。
泣いたかは覚えていない。
もしかしたら、触れるだけのキスだったのかも知れない。
大きな意味を与えるキスだったから、長く濃厚に記憶には残っているのかも知れない。
ただ其の時、貴方が告げた言葉は刺青のように、胸に刻まれ残っているの。

 感覚だけなら、鮮明と思い出せる。
事実より遥かに、大切なモノよ。
VINと過ごした時間、私達の屋根裏部屋。
抱き締められれば、大きく大きく貴方を感じる。
抱き合ったなら、貴方が私に頼りきってる子供のようにすら感じるの。
肩にかかる黒く伸びた髪は、光に当たれば青くすら見える事。
黒髪が私の頬に触れた時、少し硬いの。
冷たい色をした瞳は、私を愛する時だけ、とてもとても温かい事。
背が高く、長い手足に細い線、絵に描いたような貴方の手。
小さな私の掌と並べて、親子のようだと笑った。

 「俺たちが釈放された時には、皆に秘密を打ち明けよう」

 私を貴方が救い、私に感覚を残してくれた。
是以上の悲しみも苦しみも、要らないのだと。
そして貴方は罪人。

 貴方の罪は重過ぎた。

vintage3.gif
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【2005/09/01 20:28】 『VINTAGE』全7章 | トラックバック(0) | コメント(0) | Page top↑
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