臨みは哀しくて綺麗な世界を描く事。05年度H/Sをどうぞお楽しみ下さい。


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『 零 -zero- 』

 もうすぐカウントダウンが始まる。


 外は寒いのに、街も人も明るく賑っている。
私ときたら二日前に部屋の掃除を済ませて、元旦の支度に励んでいたのよ。
大晦日の今日はね、御節を完成させたわ。
今はもう、する事も無くなっちゃって、テレビをつけて紅白を流している。
別に興味はないのだけれど、スイッチを入れたら此のチャンネルだったってだけ。


 貴方と出逢った今年が終わる。
音楽が聴こえてこない程、沢山の事を思い起こしているの。
カウントダウンを一緒に過ごせない事が残念。
でも、仕様が無いって解っているから、平気よ。
貴方はお仕事が大変だもの。
職場の人間関係だって、疎かに出来ないでしょ。
だから最近、留守番電話が頻繁に働いてくれているの。
こちらから電話をして、もし間が悪かったらいけないから、しないの。
イイコでしょ?
― なんて、一人で笑っちゃって、可笑しいね。
口端がにやけてどうしようもないの。
ホント、どうしよう。
                  「クスクス」


 カウントダウン迄待つところ5分を切った。
明日の朝には貴方が此の部屋に来る。
待っていられないわ。
                  「クスクス」
待ってばかりだわ。
料理の腕には自信があるし、ホラ、綺麗に片付いた部屋。
貴方が待ち遠しくて―
                  「クスクス」
とびっきりの飾り付けを考えたのよ。



                  「クスクス」




 あ、カウントダウンが始まったみたい。
急いで是を吊るさなきゃ、台はあの椅子でいいわ。





   5

   4

 
(ぶらん)ぶらん ぶらん     (ぶらん)
ぶらん ぶらんぶらんらん
 ぶ
      ぶらん
 ぶらん ぶらんぶらんぶらん     (ぶらん)
ぶらん(ぶらん)
   「明けましておめでとうございます」(ぶらん)   ぶらん    ぶらん ぶらん
    
「待ってばかりの私が悪かったの」  ぶら
         (ぶらん)ぶらん ぶら     (ぶらん)

                「早くいらっしゃい」
           ぶらん ぶらん


(ぶらん)







                       ぶらん





by.華

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【2005/12/19 17:48】 【ハナ物語】 | トラックバック(0) | コメント(0) | Page top↑
『 K-STREET 』

 今日も彼はK探しで忙しいようだ。
あの呼び声を耳にすると、ついハッとして振り返ってしまう。
自分は彼の探しているKでは無いのに。
いや、待てよ。
自分がKだっけかな?
そういえばそうだ、俺はKだ。
嗚呼、そんなに必死で叫ばないでくれ。
俺だ、俺だよ、此処にいるぞ。
俺がKだよ。



「お前もKかよ」

「お前もKか?」

「彼奴もKだぞ」

「一体何奴が本物のKなんだ!?」



 此処はKの墓場だ。
探す奴に見つかる奴、探される奴は探しているし、呼ぶ奴は呼ばれている。
一体何奴が本物かだなんて、今更考える方が無駄っていうもんだ。
Kを尋ねて、Kを呼んで、飽き足らずKを探し彷徨う奴等。
Kと呼ぶ声を聞いて、今か今かと順番待ちのK達。
探し物に出逢いたい奴だらけなんだ。
確証が無さ過ぎて、いつまでも本物のKを探し続けている。



 彼の呼び声がする。
 俺は振り返る。

 誰しもが思う。



 いつの日か、自分だけのKと出逢えればいい。





by.華
【2005/12/04 11:12】 【ハナ物語】 | トラックバック(0) | コメント(0) | Page top↑
『 moon light 』

 静寂 ? 月光を浴びて光る雫は水晶。
街頭の無い、広がる平原。
僕らを照ら出す、黄金色した月の灯。
薄暗い草原。裸足を濡らす雑草の水滴。

 子供に還った、君。

 「綺麗な星空、降(お)ちてきそうだわ。」

 夜空を見上げ、肌寒い風に奮える小さな肩を抱く。



 君は突然、嬉しそうに笑った。
月光に照らされ君の笑顔。
其れは妖精の微笑み。

 君の瞳は暗い夜空へ。
 僕の眼は只君を追う。


 「アレよ、今日はアレが見えるわ。 空が明るいから。」


 君の嘘。

 君は星を指差して云った。
現代(いま)の星の失(な)い夜空に教えた。


 「あの天秤座で測ってみましょう。
   右にアナタ、左に私。そして・・・・・」


 僕は君に尋ねた。何を測りたいのか、と。
すると君は、
      罪
        と答えた。


 「左側がとても、とても重くて、ね。
   あの天秤座は、音をたてて壊れてしまう。」


 君は微笑んだまま、胸に閉じ込めてあった泪を零した。
僕は応えた。


  僕が天秤を支えてるよ


 そして君を両腕で高く持ち上げて見せた。
君は無邪気に声をあげて笑った。





泪を称える此の月光。







by.華



【2005/10/02 22:22】 【ハナ物語】 | トラックバック(0) | コメント(0) | Page top↑
『 猩紅館 』
 逃亡者



 「はぁ・・・はぁ・・・・・」

 どのくらい走ったのだろう。どのくらい?関係ないわ。
なんて暗い闇、是が夜なの?なんて黒い闇。
道はあるの?真っ暗よ、真っ黒。解るはずがない。
でも走ってる、私は走ってる。

 「はぁ・・・はぁ・・・・・はぁ・・・」

 アイツが追ってくる。アイツが私を追ってくる。
怖い、怖い、逃げなきゃ。怖い、怖いわ。
もっと速く、速く走らなきゃ。
そもそもアイツは何者なの!?いつもアイツに狙われている。
そして今、アイツは私を追って走ってくる。
もっと速く、速く逃げなきゃ。

 アイツがやってくる。アイツが私を殺しに来る。
殺される、殺される。怖い、逃げなきゃ。
もっと速く、速く走って逃げなきゃ。
アイツの足音が響く。

   カッカッカ・・・カッカ・・・・・

 なんて恐ろしい音、アイツが殺しに来る。
駆けて此の足、もっと速く、アイツに捕まらないように。
アイツが追いつけないように、アイツとの距離が広がるように。
駆けて此の足、速く、速く。
殺される、怖い、怖いの。

   カッカ・・・カカ・・カッカッカ・・・

 まるで死への時限爆弾の音。
アイツが来る、アイツが私を殺そうと追って来る。
誰か、誰か助けて。
アイツに殺される、殺される。
無我夢中で走る私、まだよ、まだ。
走らなきゃ、アイツから逃げるのよ。
もっと速く、速く走って逃げなきゃ。

 アイツが私を殺しに追ってくる。

   カッカッカ・・・・カカカッカッカ・・・

 もっと速く、速く走って逃げるのよ。

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【2005/09/28 23:02】 【ハナ物語】 | トラックバック(0) | コメント(2) | Page top↑
『 蝶 』 -のんの&華-

 小さな小さな蝶々の、優しい恋の物語。
それは大きく大きく、温かい愛の物語。



何にも縛られることなかった
誰もじゃますることないと
信じていた

羽をもがれるなんて
思ってもいなかった



 舞えなくなった弱々しい蝶々。
春の旅路の途中で、強風に羽をひとつ奪わてしまったのです。
仲間は落下した哀れな蝶々を置いて、暖かい旅路を行ってしまいました。
 空を飛べなくなり苦しむ孤独な蝶々の元に、優しく心の大きな王子様が通りがかりました。
羽を無くした蝶々は死んでゆくのですが、王子様は哀れな蝶々を掌で優しく撫でてくれたのです。
死に際に蝶々は、王子様に恋をしたのでした。
そして動かなくなった片翼の蝶々に、王子様は小さなお墓を作ってくれました。
其処には春のタンポポの墓標。
まるで無くした羽のように、タンポポの花が一輪。
小さな墓標の花は太陽を目掛け、力強く咲いていました。


飛べない蝶

大地と同化して

消えていく


 死に間際に王子様を愛した蝶々の心。
それはそれは強い、強い愛。そして大きな大きな愛でした。
蝶々のカラダは土の中で段々と土と朽ちてゆきます。
そんな中、蝶々の王子様への愛は優しく、強く、それはそれは今まで弱々しかった蝶々に、大きな心となりました。
 王子様は以来夢を見るのです。
夜の眠り、魂が現世を離れ夢の世界へ旅立つ時間、片翼の美しい女性の夢を。
白い肌、桃色の唇に火照ったように赤い頬。小さく華奢な身体、流れるような白いウェーブのロングヘアーは、風に吹かれてふわふわと舞う。
夢の中で王子様は、其の美しい片翼の女性と話をしたり、野原を駆け回って遊んだり・・・其れは其れは恋物語のような優しい夢を見るでした。
王子様は彼女に聞きました。
 「貴女は天使でしょう?でもどうして、翼が片方しかないのですか?」
 しかし、美しい其の女性はただ微笑むだけです。
 「云いたくないなら構いません、貴女は天使だ。こんなにも優しく、美しいのですから。」
 こんな王子様の夢は、ずっとずっと続くのでした。
王子様は夢の中の美しい女性に恋をしたのでした。


たったひとり
取り残された蝶

君はひとり自由に
あの空を飛んでいて



 王子様はいつか、王様になります。
其の時とは、今の王様が亡くなった時のこと。
そして、王子様が王様になる日がきたのです。王子様のお父さんが、死んでしまったのです。
王子様は悲しみ、とても颯爽と立派な王になる気力が持てません。
其の日、王子様は悲しみに泣きながら眠りました。
 夢の中、いつものように彼女が現れました。
美しい片翼の女性は優しく微笑んで、王子様の頬をつたる涙を撫でました。
そして自らの手で、ひとつしかない翼をもぎ取り、王子様の背に与えたのです。
そうすると、翼をなくした美しい女性は光に包まれ、みるみるうちに小さな蝶々になったのでした。
其れを見ていた王子様は、彼女がいつかのある日、自分が埋葬した蝶々だと気がついたのです。
羽をとりもどした蝶々、其の色は太陽のように明るく輝く金色の羽。
片翼の王子様の周りを3回まわって、空高く高く飛んでゆきました。
そして光に溶け込むように見えなくなってしまいました。


君の心の中だけで
飛ぶことが許されるのなら

それだけでいい


 次の日目が覚めて、王子様は王様になりました。
それはそれは後世へ語り継がれるほどに立派な王様となったのでした。
優しく賢明で、素晴らしい王様に・・・・・




君のことを
夢見つつ












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【2005/09/17 12:21】 【ハナ物語】 | トラックバック(0) | コメント(5) | Page top↑

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